尾西食品株式会社尾西食品株式会社

アルファ⽶を知っていますか?

アルファ米ってどういうもの?

アルファ米とは、炊きたてごはんのおいしさをそのままに、急速乾燥したものです。
生米に含まれるデンプンは、人間には消化しにくい「ベータ化」の状態。
これを加熱調理し、消化しやすい「アルファ化」の状態にして、急速乾燥しています。
「アルファ化」状態の米をそのまま冷ますと「ベータ化」状態に戻ってしまい、食べるために再び加熱が必要になりますが、
急速かつ水分をコントロールしながら乾燥させると、「アルファ化」状態を保てます。
「アルファ化」状態の米に、水やお湯を加えると、まるで炊きたてのような食感とおいしさのごはんが戻ってくるのです。

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アルファ米への疑問

どうしてお湯や水だけで、ごはんに戻るの?

アルファ米は、炊きあがったごはんから、ごはんの旨味を保ちつつ水分だけが抜けている状態のもの。
そのため、ここに水分を足すだけで、元通りのごはんに戻るのです。

フリーズドライとどこが違うの?

フリーズドライは、冷凍のまま完全に乾燥させたものであるため、お湯やお水を入れると比較的早く戻りますが、水分を取り除く工程で、素材にたくさんの穴が開くと言われています。
一方アルファ米は、素材の構造を崩すことなく、乾燥させることで、水分やお湯で戻したとき、ごはんのもっちりした食感と噛みごたえが楽しめるような商品づくりを行っています。

どうして長期保存できるの?

アルファ米は、長期にわたり常温保存できるように乾燥させているので、微生物が繁殖できず、腐敗することがありません。またパッケージには酸素を通しにくい素材を採用。脱酸素剤も封入し、酸素による影響を防ぎながら、お米の味わいを守っています。

アルファ米の誕生アルファ米はこうして生まれました

火を使わない『餅の素』

明治32年鳥取県に生まれた創業者の尾西敏保(はるやす)は、中学を中退し、蒸気機関車の助手を経て、第一次世界大戦末期に呉(くれ)の海兵団に入隊します。

大正10年海軍機関学校に入学した尾西敏保は、電気工学を専攻。また、列強各国による軍事拡張時代を背景に、技術開発の進められた潜水艦の乗務員に必須の電気関連技術を学ぶため、海軍潜水学校へ進学しました。その後、潜水艦に乗務、昭和7年に退役します。

食品の開発とは無関係であるかのような蒸気機関車や潜水艦での経験が、のちのアルファ米の誕生に大きな影響を与えました。

昭和9年大阪の製薬会社に入社した尾西敏保は、東京での常宿が澱粉化学の研究者が頻繁に集う場所であったため、ここで米の主成分であるデンプンに関する知識を徐々に高めます。

昭和10年には、尾西食品の前身である尾西食品研究所を設立。火を使わず、水を注ぐだけでつきたてのお餅になる「即席餅の素」や「葛練りの素」といった製品を開発しました。これらは、戦時下の日本において軍事食糧として納入され、大変好評を得ました。

炊かずに食べられるごはん『アルファ米』

その後、尾西敏保は食糧不足にあえぐ戦線の兵士のために、アルファ米の開発を進めました。洗わず、煮炊きせず、水を注ぐだけで米飯に戻り、軽量で保存性に優れたアルファ米。

その量産化を目指し開発に取り組んでいたところ、昭和18年に大阪大学産業科学研究所の故二国博士が、当社の乾燥デンプン粉末と、オランダの物理学者カッツ博士のデンプン回析とを結びつけ、当社のデンプン加工食品が優れた食品であることを証明しました。

アルファ米の開発は、成功を収めました。ジャングルでは煙を上げず、潜水艦は浮上をせず、水を注ぐだけで食べられる軍糧食として、終戦までに6千200トンが納入されました。
※「餅の素」を含めると2万7千300トン(約3億食分)が軍事食糧として供されました。

すべての人の役に立つ保存食へ

戦争が終わり、日本の食糧事情は逼迫(ひっぱく)します。特に乳幼児や病人の食料とその貯蔵が、「国民の栄養問題」として重要視されるようになりました。この重大な問題に対して、当社のアルファ化デンプンとアルファ米が安全かつ保存性に優れていると評価され、多くの命を守る食料として重宝されました。

時代が流れ、アルファ米はお腹を満たすための軍事食糧から、美味しい平和的食糧へと生まれ変わりました。現在では、自治体や企業における災害対策用の非常用保存食品、また海外旅行者や登山者の携行食として、広く利用されています。

どこでも、どんな時にも、ごはんのホッとする味わいを。アルファ米の活躍の場は、どんどん広がっています。

尾西食品独自の製造工程ここが違う!尾西のアルファ米、
おいしさのヒミツ

原材料の選択から、炊き上げ、包装まで。
安全と味わいにこだわった、尾西独自の製造工程をご紹介します。

  • 1
    原材料受け入れ

    原材料受け入れ

    優れた品質のお米は、おいしさの基本。尾西のアルファ米には国産米を100%使用しています。

  • 2
    浸漬

    浸漬

    米に水を含ませる浸漬(しんせき)を、時間をかけて行います。たっぷり水を含ませると、ふっくら水々しく炊き上がります。

  • 3
    炊飯

    炊飯

    当社の独自製法で、お米のおいしさを引き出します。ごはんの甘みを増やして、モチモチした食感に。

  • 4
    乾燥

    乾燥

    炊き上がったら、すぐに熱風を使って乾燥させます。アルファ米に適する水分量になるまで、ていねいに乾かします。

  • 5
    粗砕・整粒

    粗砕・整粒

    乾燥時にくっついた粒を加水後同じ時間でごはんになるように、一粒ずつはずし、整えます

  • 6
    包装

    包装

    アルファ米と具材を合わせて、酸素を通しにくいパッケージに、脱酸素剤と一緒にいれて包装します。